「日本人と挨拶」を文化論的に考える

<親しいながらも距離を保つ、日本人の独特な人との付き合い方>

文化摩擦と呼ばれる現象の多くは、互いの文化特有の物の考え方や見方をめぐる独断や理解不足などが原因とされる。日本を訪れた外国人に日本人のイメージを尋ねると、優しい、親切、真面目といったプラスのイメージの他、人見知りとか、冷たいというマイナスのイメージも聞かれる。なぜこのような両極端なイメージがあるのだろうか。自分自身としては、日本滞在23年が経つ今も、日本人の行動様式をめぐっては多くの疑問符を付けたくなることがあり、その独特で、ときに曖昧な特徴や個性に困惑させられることもある。

その一つが、日本人の挨拶に対する考え方である。日本人は何のために挨拶をしているのか。また挨拶をどのように捉えているのか。

今も昔も、どんな言語においても、人と人の挨拶行動は人間社会に普遍的に見られる現象である。「挨拶」は軽視できない、重要な「文化論」の一つとなり、人をつなげる大きな力となる。日本語の「挨拶」という言葉も、コミュニケーションの核心的な意味を秘めている。そもそも「挨」「拶」の両字ともが「近づく」という意味で、挨拶行動の本質を言い表している。しかしよく考えてみると、「お元気ですか」、「はい元気です、あなたはいかがですか?」、「ええ、元気です」などというような挨拶が日本人の間で日常的かつ頻繁に交わされることはあまりない。

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