イタリア、ウクライナ、グアテマラ......お笑い芸人が政治を支配する日

差別発言などが問題になっても、人気が衰えないのはそのおかげだろう。

もともと認知度が高く、ソーシャルメディアでの自己PRにもたけたコメディアンは、既成政治に不満を持つ人々の支持をつかみやすい。そうは言っても政治経験の少ない候補者に希望を託すのは、不合理にも見える投票行動だ。

だがそれも、行動経済学の観点からは「確実な損失」を避ける行動として説明できる。既成政治家が居座れば、現状が続くのは目に見えている。政界のアウトサイダーに賭けたら、少なくとも何らかの変化が起きるだろうと、有権者は考える。

ただし、政権運営には実務能力や知識や経験が求められる。アウトサイダーは選挙戦では有権者を大いに沸かせても、有能なリーダーになるとは限らない。

コメディアンに未来を託す危うさは、グアテマラを見れば分かる。モラレス大統領は1月、国連との合意で設置された汚職調査委員会の廃止を一方的に通告した。

政治に対する無関心や将来への不安が社会を覆っている今、コメディアンが政治に果たす役割は無視できない。一方で忘れてはならないのは、どんな形であれポピュリズムにはリスクが伴うこと。有権者が冷静な判断をするために、ファクトチェックの重要性は増すばかりだ。

そもそも有権者は、なぜ既成政治に愛想を尽かしたのか。

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