イスラーム国の敗北と、トランプがゴラン高原「イスラエルに主権」に署名した関係

その理由は、レバノン首都のベイルートとイランの首都テヘランが陸路で結ばれ、イラン版「一帯一路」が開通するのを阻止するためだとも言われている。

だが、より注視すべきは、シリアでのイスラーム国の敗北と時を同じくして、決断が下された点である。

クルド民族主義勢力の人民防衛隊(YPG)を主体とするシリア民主軍は23日、イスラーム国最後の支配地だったバーグーズ村(ダイル・ザウル県)を完全制圧し、勝利宣言を行った。トランプ大統領も22日、「イスラーム国は100%敗北した」と表明した。

トランプ大統領は昨年12月19日、米軍をシリアから撤退させると発表した。この方針は、政権内や同盟諸国から強い反発を受けて、今年2月下旬に事実上撤回され、米軍駐留は当面続く見込みだ。

米政権の高官らは、イスラーム国に対する勝利宣言後も「根絶に向けてさらなる行動を続ける」と強調し、スリーパーセル摘発やテロ再発防止への意欲を示す一方、イランの脅威の排除、政治移行の実現といった大義を掲げ、介入継続の必要を力説する。だが、こうした回りくどいロジックは、単刀直入な思考様式を特徴とするトランプ大統領には馴染まず、彼が再び撤退と言い出さないとも限らない。

これに対して、ゴラン高原に対するイスラエルの主権承認は、エルサレムへの大使館移転と同じく、トランプ大統領の親イスラエル姿勢を率直に表していて、きわめて分かり易い。

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