対中貿易戦争か国内経済か......トランプに決断の時が迫る

<米政権内は対中交渉をめぐって対立しているが、再選を目指すトランプは交渉妥結を必要としている>

トランプ米大統領にとって、貿易は常に単純なものに見えていた。アメリカが赤字を出している貿易相手国、特に最大の悪役である中国を罵倒することは16年の大統領選挙当時、中西部の工業地帯で有権者の心をつかむ格好の手段だった。

実際、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルベニア州などでは有権者が予想外にトランプに味方した。自らの直観と感性が認められ「私は貿易のおかげで勝った」と、彼は選挙を戦った盟友に語っていた。

ただ、トランプが理解していなかったのは、貿易問題は複雑ということだった。ビジネスマンであり、自称・すご腕交渉人のトランプは、主要な貿易相手国に関税を課すことを交渉で利用できると考えていた。

トランプは中国だけではなく、カナダや日本、韓国、EUなどの同盟国にも関税を押し付けた。だが共和党を支持する投資家たちは、トランプの減税と規制緩和策は好んだが、貿易紛争は嫌がった。

調査会社IHSマークイットの分析が示すように、貿易戦争が新聞の見出しになると市場はひどく弱気になり、解決が見えてくると強気になる。

トランプは関税を武器にしているが、同時に株価の動向も気にしている。

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