忘れるな! 4月施行の「高プロ制度」が日本の格差を拡大させる



こうした社会的矛盾(労働成果の公平な分配なき労働政策)を解決していかなければ、国民が経済的に安心して暮らせる社会をつくることは不可能だろう。

米ホワイトカラー・エグゼンプション制度に範を取るというが...

そんな中で創設された「高プロ制度」は、アメリカの「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」(white collar exemption)の日本版だ。果してこれは労働者としてのサラリーマンにとって快適で働きやすい制度なのだろうか。

アメリカにおける「ホワトカラー・エグゼンプション制度」の場合、職務内容による要件は基本的には管理業務・裁量的事務業務・専門業務を対象とし、具体的には以下2つの基準となっている。

(1)基準A:コンピュータ専門業務・専門業務(教員・法律/医療業務)・企業外販売業務――賃金に関する要件=週当たり455ドル以上(年収2万3660ドル以上)
(2)基準B:職務の一部に、管理業務・裁量的事務業務または専門業務があること――賃金に関する要件=年収10万ドル以上

基準Bであれば、日本のような年収1075万円以上の所得を得ている者となるが、これが基準Aとなると、年収約260万円(1ドル=110円で換算)まで下がり、いわゆるワーキングプア・レベルの労働者を「ホワイトカラー・エグゼンプション」としているのがアメリカの場合である(笹島芳雄「労働政策の展望 ホワイトカラー・エグゼンプション制度の創設」『日本労働研究雑誌 5月号』労働政策・研修機構、2016年)。

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