忘れるな! 4月施行の「高プロ制度」が日本の格差を拡大させる



この法律は3度にわって改正され、2006年の改正では、派遣期間の延長や労働者の福利厚生に関する権利等が盛り込まれたが、この法律の狙いは、企業が経営事情によって労働者の解雇を自由裁量でできるようにし、収益を上げられるようにすることであったといえるだろう。

非正規雇用者に対しては労働契約年数の制限で、そして、この度、正規雇用者に対しては裁量労働制(=「高プロ制度」)で、労働者解雇のための裁量権を経営者側に付与したのである。

現代の社会も産業も企業も、人間の労働によってつくりあげられた。労働者の正当な労働対価の削減やリストラなどによって、貴重な財産である「人材」を機械のごとく軽視・無視するやり方は、産業革命以降、18〜19世紀の米国の悪徳資本家(「泥棒成金」)のそれに酷似している。

「貧困」は人間の労働を酷使して、独占的利益を得ようとしている経営者側が産み出しているのである。それを是正できない政府(行政)も同罪である。

経営者側が高額な報酬を取り、労働者を低賃金で働かせている現状を改革しない限り、「現代の貧困」は解消できないだろうし、さらに、国民が最低限度の豊かな社会を享受できる社会は当分、実現できないだろう。

[筆者]
松野 弘
博士(人間科学)。

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