加齢による記憶力低下が、電気刺激で20代並みに回復した:米研究

<ボストン大学の脳科学者らが、高齢者の脳に電気的な刺激を頭皮を通じて送ると20代と同程度に記憶力が回復するという研究成果を発表した>

自然に記憶力が低下する60〜70代の被験者に対し、電気的な刺激を頭皮を通じて脳に送ると、20代の被験者と同程度に記憶力が回復した──。そんな研究成果を、米ボストン大学の脳科学者らが発表した。

20代後半か30代前半から作業記憶の低下が始める

ボストン大学のロバート・ラインハート助教授とジョン・グエン氏がまとめた論文が、神経科学系の英学術誌『ネイチャー・ニューロサイエンス』に掲載され、英メディア『ザ・ガーディアン』などが報じた。

ラインハート助教授の説明によると、今回の研究で対象にしたのは「作業記憶(working memory)」を司る脳の領域。作業記憶とは、買い物のリストを暗記したり、鍵を置いた場所を覚えているといった、日常生活の中でごく短期間保たれる記憶だという。

一般に20代後半か30代前半の頃から、脳の特定部位が徐々に分断されて同期がうまくいかなくなり、作業記憶の低下が始まる。60代や70代の頃には神経回路が相応に悪化し、認知症などを患っていなくても認知障害を経験する人が増えるとしている。

脳の同期を電気刺激で取り戻す

ラインハート助教授らは、脳の同期の低下(リズムの乱れ)を、電気刺激を与えることによって改善することで、作業記憶を回復できるのではないかと考えた。

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