それでも火星旅行の実現がまだまだ遠い理由

<生命の痕跡を探し、環境の解明を目指す無人探査機による火星ミッションが始まる。トランプ米大統領もイーロン・マスクも有人の探査・旅行に意欲を燃やすが......>

宇宙探査の次なる大フロンティア、それは火星だ。2020年夏にはヨーロッパとロシアが共同で進めるエクソマーズ計画と、NASAのマーズ2020の無人探査機が火星に向けて飛び立つ。生命の痕跡を探し、火星を目指す人間が克服すべき過酷な環境について科学的に解明する手掛かりも集める構えだ。

数十億年前の火星は地球によく似ていたと、科学者は考えている。「火星には地球とよく似た大気も、液体の海もあった」と、2月の欧州宇宙機関(ESA)の探査車命名式で、イギリス人宇宙飛行士ティム・ピークは語った。「太陽系で生命の痕跡を探す場合、まず目を向けるには火星は理想的な場所だ」

エクソマーズの火星探査車(DNAの構造の解明に貢献したイギリス人科学者にちなんで「ロザリンド・フランクリン」と命名)は、かつて海が広がっていたが現在は乾いた粘土に覆われた地表に着陸。約2メートルの深さまで掘削できるドリルを使って地中を探査する。この手の探査は今回が初めてで、科学者はロザリンドが古代の生命の痕跡を掘り出す可能性に期待している。化石化した分子が地中深くで見つかるかもしれない。

「生命の痕跡探しがエクソマーズの目的」だと、ESAの有人およびロボット探査部門を率いるデービッド・パーカーは言う。

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