『ビューティフル・ボーイ』薬物依存症の青年と父の苦闘の物語

<愛するわが子が薬漬けになったら? 父子の葛藤を実体験に基づきリアルに描いた、若手演技派ティモシー・シャラメの最新作>

こんなことをしていたら死んでしまうと、自分でも分かっていた。いっそ死んだほうがいい。時にはそう思った。

覚醒剤のメタンフェタミンを常用していた20代初めには「何度も死にかけた」と、ニック・シェフは本誌に語った。薬をやめると苦しくてたまらない。死んでもいいから薬をやりたい。その一心だったという。

ニックは11歳で酒を飲み始め、その後はマリフアナとコカインも試した。でも18歳のときに初めて手を出したメタンフェタミンはそれらとは異次元だった。一気に多幸感があふれ、生まれて初めて自信を持つことができた──ニックは体験記『薬漬け』にそう書いている。

メタンフェタミンが手に入らないときはヘロインかモルヒネで代用した。使用頻度はどんどん増え、気が付けば重度の依存症に。薬のことしか考えられず、生活はメチャメチャになった。

大学を2度ドロップアウトし、8歳の弟の小遣いをくすねるようになり......過剰摂取で意識を失い、病院のベッドで目を覚ましたことも何度もある。

ニックはいま36歳。薬物を断って8年余りたつ。彼は自らの人生で最も悲惨だった日々を大スクリーンで目の当たりにすることになった。

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