『ビューティフル・ボーイ』薬物依存症の青年と父の苦闘の物語

まるでビートルズと一緒にいるようだったよ」

実は『ビューティフル・ボーイ』というタイトルは、故ジョン・レノンから「もらった」ものだ。デービッドは80年にプレイボーイ誌の仕事で、レノンと妻のオノ・ヨーコを取材した。その記事はレノンの最後のインタビューとなった。

取材の日、ジョンとヨーコはスタジオで息子のショーンのために書いた曲「ビューティフル・ボーイ」をレコーディングしていた。インタビューを掲載した雑誌が出て2日後、レノンはファンに殺された。

実際のシェフ親子 SHAWN EHLERSーWIREIMAGE/GETTY IMAGES

ニックの問題で闘い続けている間、デービッドは音楽を聞くと抑えていた思いがあふれ出したと話す。下の2人の子供を連れてスーパーに買い物に行ったときのこと。店内に流れるエリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘブン」(転落事故のために4歳で死亡した息子への思いを歌った曲)を聞いて、「その場に立ち尽くした」という。幼い子供たちは「スーパーで突然泣きだした父親を見てうろたえていた」そうだ。

依存症からの回復プロセスは一筋縄ではいかない。「希望が見えたかと思うと失望し、失望の後には絶望が続き、そして運がよければ、また希望がほの見える」と、デービッドは言う。



そんな複雑な事情を、この作品はきちんと伝えている。

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