インドネシアの宗教と民主主義の危うい関係

<実務肌の現職ジョコ大統領が再選確実となったがイスラム教勢力が政治の場で無視できない存在に>

14年以来(そしておそらく24年まで)インドネシアの大統領を務めるジョコ・ウィドドは最高に満足していたはずだ。4月17日午後3時、インドネシア大統領選挙の開票速報の時点で、対立候補のプラボウォ・スビアントを10ポイントほどリードしていたのだから。

それでも彼は勝利宣言を見送った。歓声を上げる支持者たちには、5月22日までに公表予定の正式結果を辛抱強く待つよう求めた。

それはジョコの完璧な自信の表れだった。5年前の大統領選でも勝利した同じ相手に、今回も順調な選挙戦を戦ってきた。

インドネシアでは、政界のエリートではなく軍人でもない大統領はジョコが初めてだ。そして実務家らしく少しずつ改革を進め、経済を発展させてきた実績が勝利の決め手になった。

今回で3度連続で国政選挙で敗れることになる対立候補のプラボウォは開票速報に異を唱え、選挙の不正を主張している。

だが国際戦略研究所の研究員アーロン・コネリーに言わせると、ジョコの勝因は「楽観的で陽気な選挙運動を展開した」ことだ。国内の資源部門への外資参入に反対するなど、なにかと否定的だったプラボウォの主張とは正反対で、「結局は楽観主義が悲観主義に勝った」のだ。

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