人類の英知が導いたブラックホール初撮影

<巨大ブラックホールの撮影に国際研究プロジェクトが初めて成功......アインシュタインの相対性理論からの長い道のり>

銀河の中心にある超巨大ブラックホールの姿を、ついに私たちは写真で見た。見えざるものを、ついに見たのである。

その不思議な写真は、輝くプラズマの発した電波を捉えたもので、光ですら脱出できないブラックホールの境界、いわゆる「事象の地平面=イベントホライズン」を影絵のように写し出していた。

M87銀河にある超巨大ブラックホールの「可視化」は、世界中の200人以上の科学者、エンジニアが協力して各地の高性能な電波望遠鏡多数を連携させた成果だ。ここに至るまでの長い道のりを振り返ってみたい。

まずは1783年にイギリスの天文学者ジョン・ミッチェルが「暗黒の星」の概念を提唱した。極めて密度の高い星では光の粒子でさえ、その重力圏を脱出できない(だから目に見えない)という仮説だ。以来、天文学はずいぶん遠くまできた。

今年1月には、いて座Aスターから電波が放出されている画像が発表された。いて座Aスターは、私たちがいる銀河(天の川)の中心にある超巨大ブラックホールを取り囲む領域だ。その画像はイベントホライズンの9倍の大きさまで捉えていた。

そして今、国際研究プロジェクトのイベントホライズンテレスコープ(EHT)が、地球から5500万光年離れたM87銀河の超巨大ブラックホールのイベントホライズンの画像解析に成功した。

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