トランプがムスリム同胞団のテロ組織指定で失うもの

<穏健な巨大組織をテロリスト呼ばわりすれば、中東の数千万人を敵に回すことになる>

トランプ米大統領は4月30日、1928年にエジプトで結成され、国際的に活動を展開しているイスラム主義運動「ムスリム同胞団」をテロ組織に指定する意向を表明した。歴代の米大統領の政策と一線を画す動きであり、アメリカと中東の政治的関係に影響を及ぼしかねない。

そうは言っても、テロ組織指定までの道のりはまだ遠い。トランプ政権の対テロ当局はまず、国務長官、司法長官と財務省に対し、ムスリム同胞団がテロ組織であることを裏付ける証拠を示さなければならない。その後さらに連邦議会が指定の阻止を試みる可能性もあり、ムスリム同胞団には決定を不服として法廷で争う機会も与えられる。

それでもテロ組織としての指定が承認された場合はどうなるのか。専門家はその決定が、アメリカと中東の合法的・民主的な各勢力との関係を悪化させる可能性があると指摘する。

影響が及ぶのは「トルコやカタールなどムスリム同胞団寄りの国との関係だけではない」と、米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのH・A・ヘリヤー客員上級研究員は言う。「クウェートやヨルダン、バーレーンなどとの関係にも悪影響が及ぶ可能性がある。ムスリム同胞団はこれらの国でも活動を展開しており、出身者が政府の要職に就いている例もある」

ヘリヤーはムスリム同胞団には世界中に多くの支部や関連組織があるとして、こうも指摘する。

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