月は死んでいない──ゆっくり収縮し、月面が震動する活発な活動状態にあった

<アポロ計画を通じて観測した約50年前のデータと月周回無人衛星LROの画像データを組み合わせ、月面が震動する活発な状態にある可能性があることがわかった>

月は小惑星や流星が激しく衝突する混沌とした環境下で形成されたと考えられている。この衝突によって熱が発生したため、形成当初の月は非常に高温であったが、時が経つにつれて次第に冷えながら収縮し続けており、月の収縮に伴って、月面の地殻は脆くなり、ある地殻が隣接する部分に押し上げられる「衡上断層」が形成されている。

そしてこのほど、これら「衡上断層」が活発な状態にあり、月面が震動する「月震」を引き起こしている可能性があることがわかった。

アポロ計画で月に設置した地震計データを解析

アメリカ航空宇宙局(NASA)では、「アポロ計画」のアポロ11号、12号、14号、15号、16号のミッションで月面に地震計を設置し、1969年から1977年までにマグニチュード2から5の浅発月震を28回観測した。

国立航空宇宙博物館(NASM)地球惑星研究センター(CEPS)の上級研究員トーマス・ワターズ博士らの研究チームは、地震観測網が検知した震源地の位置を正確に特定するアルゴリズムを独自に開発し、このアルゴリズムを使って月震データを解析した。

その結果、全28回のうち8回の月震は「衡上断層」から30キロメートル圏内を震源地としていた。

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