月は死んでいない──ゆっくり収縮し、月面が震動する活発な活動状態にあった

また、これら8回のうち6回は、月が遠地点(月が公道軌道上で地球から最も遠くなる点)から1万5000キロメートル未満に位置するタイミングで発生したものであった。地球の重力からの潮汐応力が加わることで応力がピークに達し、断層のすべり現象が起きやすくなったとみられている。

最近の月震で地滑りがおきていた......

研究チームは、2019年5月13日に学術雑誌「ネイチャージオサイエンス」で掲載された研究論文において「月震の震源地と『衡上断層』が近いことから、月は構造的に活発である」と結論づけている。

NASA/GSFC/Arizona State University/Smithsonian

「衡上断層」が活発な状態にあることは、NASAの月周回無人衛星LRO(ルナー・リコネサンス・オービター)が2009年以降に撮影した3500件以上の「衡上断層」の高解像度画像でも示されている。

月面の物質は太陽や宇宙放射線にさらされることで徐々に薄黒くなるものだが、一部の画像では、「衡上断層」やその近くにある地すべりや岩が比較的明るく映っていた。これはつまり、最近の月震で地滑りがおき、宇宙空間にさらされはじめたものだと考えられる。

人類の月探査において優先すべき課題

NASAゴダード宇宙飛行センターのジョン・ケラー博士は「アポロ計画を通じて観測した約50年前のデータとLROの画像データを組み合わせ、月への解明を前進させたことは、非常に素晴らしい」と一連の研究成果を高く評価している。

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