「聖地火災」を西欧・イスラム協力の契機に

<ノートルダム大聖堂とエルサレムのアル・アクサー・モスク、2つの火災はキリスト教徒とイスラム教徒に共通の感情を抱かせた>

4月15日午後、パリのノートルダム大聖堂が炎に包まれ、尖塔と屋根が崩落――世界に衝撃を与えたこのニュースとほぼ同時刻、約3300キロ離れたエルサレムのアル・アクサー・モスクでも火災が起きていた。

こちらは報道の扱いも被害も、ずっと小さかった。だが長い歴史を持つ大聖堂とモスクの悲劇的火災は、2つの重要な建造物に人々の注意を引きつける出来事だった。キリスト教徒とイスラム教徒は今こそ共通の人間性に思いをはせ、協力して聖なる施設の修復に取り組むべきだ。

バチカンのサンピエトロ大聖堂を別にすれば、ノートルダムはおそらく世界で最も崇敬を集める大聖堂だろう。アル・アクサーは、メッカの大モスク(マスジド・ハラーム)とメディナの預言者のモスク(マスジド・ナバウィ)に次ぐ、イスラム教第3の聖地だ。

苦難に耐え抜いた歴史

幸い、ノートルダムにあったカトリックの2つの聖遺物、いばらの冠と十字架の一部は無事だった。エルサレムの神殿の丘(アラビア語ではハラーム・アッシャリーフ)に立つアル・アクサーでも、報道によれば深刻な被害が出たのは移動式の警備員ブースだけだった。

2件の火災がきっかけで注目を集めているのは、物理的な建造物そのものだけではない。

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