米中対立を哲学者ヘーゲルならこう見る、歴史の方向性は「自由の実現」だが...

<18〜19世紀の哲学者ヘーゲルによれば、世界史の覇権は古代中国から欧米近代社会へと西進した。米中対立など現代社会の難問も、哲学で読み解けば解決策が見えてくるかもしれない>



テクノロジーが驚異的に進化している。IoT(モノのインターネット)など「第4次産業革命」は経済的な機会を拡大。そのうねりはネットによる民意の把握や世論形成など政治にも及んでいる。

問題はそれが現代社会の課題を解決するかどうかだ。歴史的に技術革新は人類に富をもたらしてきたが、世界の矛盾はなくならなかった。むしろ人工知能(AI)を使った顔認識技術は監視社会を招き、ネットや交通の発達が移民問題を加速させ、ソーシャルメディアがポピュリズムの温床になるなど、新たな難問を突き付けている。

どうやら「ビッグデータをAIで解析すれば難問解決」といったパラダイスは訪れそうにない。こういった時代こそ、人間の究極の知恵、「哲学」が武器になるかもしれない。

哲学は必ずしも現実と無縁な象牙の塔で生まれたのではない。ナポレオン皇帝のドイツ侵略がフリードリヒ・ヘーゲル(1770-1831)の歴史観を、大英帝国の繁栄と矛盾がJ・S・ミル(1806-73)の経済哲学を、ナチスの蛮行がハンナ・アーレント(1906-75)の政治分析を、息苦しい管理社会がミシェル・フーコー(1926-84)の社会観察を生んだ。

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