米中対立を哲学者ヘーゲルならこう見る、歴史の方向性は「自由の実現」だが...



危機が生んだ人類の英知こそが新たな危機に対する一番の処方箋となるだろう。

いま渦中にある米中対立を見て、ヘーゲルなら、そこに古代中国から欧米近代社会へと西進した、世界史における覇権のダイナミズムを読み取るかもしれない。

「ヘーゲルが論じたのは、歴史は単なる出来事の羅列ではなく、明確な方向性を持っているということ」そしてその「方向性とは『自由の実現』」だ(萱野稔人・津田塾大学教授による特集の論考「アメリカと中国、激突の勝者は」より)。覇権は地球を一周して、再びアジアへ回帰するのだろうか。

また中国における人権抑圧や、米大手IT企業GAFAなどのビッグデータ活用による監視社会はどうだろうか。そうした「のぞき見」横行に対して、フーコーなら個人のプライバシー侵害だけでなく、人間の「動物化」を指摘するだろう。

セクハラ告発にも使われ、社会変革の利器となったツイッターなどのSNS。アーレントならそこに輝かしい未来よりも、全体主義をもたらす危険を見るのではないか。

移民元年となり、外国人労働者に対する期待と不安が広がる日本。J・S・ミルなら、先進国の幸福を向上させるために、移民は排除すべき存在とみなすのか。それとも受け入れるべき人材とみるのか。

あるいは世界を席巻するポピュリズム運動をどう読み解けばよいのだろうか。

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