中国本土への身柄引き渡しで、香港の自由は風前の灯

民主主義の台湾は司法が独立していて、人権も強力に守られている。

外国企業が逃げていく?

それに対し、中国では裁判所が中国共産党の支配下にあり、刑事起訴された人の99%以上が有罪になる。恣意的な容疑や曖昧な容疑で逮捕されたり、外部との連絡を絶たれた状態で何カ月も拘束されたりする。

中国でそのような扱いを受けるのは、中国国民だけではない。カナダ人のマイケル・コブリグとマイケル・スパバは、「国家の安全を脅かした疑い」で昨年12月から拘束され、5月16日に逮捕が発表された。スウェーデン国籍を持つ香港の出版人アーハイ(中国名・桂明海(コイ・ミンハイ))は15年、タイで中国当局に拘束され、首都・北京に連行された。

香港政府は、本土に身柄を引き渡す前に事案ごとに裁判所が可否を判断するとしている。しかし、香港の裁判所が中国当局の要請を突っぱねることなどあり得るのか。

近年、香港政府がさまざまな問題で中国の意向を尊重して行動してきたことを考えると、可能性はゼロに等しい。昨年10月、英フィナンシャル・タイムズ紙の編集者のビザ更新を拒否。今年に入ってからも、中国国歌を侮辱する行為に最大で禁錮3年の刑を科す条例を制定しようとしている。香港政府は中国の顔色をうかがい、香港の自由を制約することに躊躇がない。

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