シリアのイドリブ県で戦闘が激化するなか、政府軍が再び化学兵器攻撃か?

攻撃は、トルコがこの合意を履行しない(できない)ことに業を煮やすかたちで始められ、4月30日以降に激しさを増していった。

シリア・ロシア両軍は、学校、病院、ホワイト・ヘルメットの拠点、さらには民家を狙った。シリア人権監視団によると、5月19日現在、492人の死亡が確認されており、うち173人が民間人だという。また国連によると、15万人が爆撃・砲撃や戦闘を避けて家を離れ、その一部は「オリーブの枝」地域、「ユーフラテスの盾」地域と呼ばれるトルコ占領下のアレッポ県北西部への避難を余儀なくされているという。

イドリブ県は誰の手の中にあるのか?

英仏独の外務省は5月13日の共同声明で、「住宅地への爆撃」、「無差別砲撃」、「樽爆弾」、「学校や医療センターへの攻撃」、「国際人道法へのあからさまな違反」といった言葉を連ねて、ロシアとシリア政府を非難した。だが、こうした非難が当てはまるほど、事態は単純ではない。

反体制派の最後の牙城とされるイドリブ県およびその周辺地域は、トルコ占領下のアレッポ県北西部とともに、シリア軍に敗れても、なお抵抗を続けようとする反体制派とその家族が身を寄せて、在外活動家がその自由と尊厳のために連帯を呼びかける場所である。

同地では長らく、地元評議会、自由警察、そしてホワイト・ヘルメットなどと称する活動家たちが、それぞれの市町村の自治、治安、そして医療などの福祉を担い、多くの反体制武装集団がこれに混在していた。

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