シリアのイドリブ県で戦闘が激化するなか、政府軍が再び化学兵器攻撃か?

そのなかには、シャーム解放機構のほか、トルキスタン・イスラーム党など外国人を主体とする武装集団、フッラース・ディーン機構といった新興のアル=カーイダ系組織もおり、彼らは自由シリア軍諸派や革命家を自称する活動家と離合集散を繰り返しつつ、一定の秩序のもとで共生してきた。

2019年1月になると、筆者が「反体制派のスペクトラ」と称してきたこうした状況に新たな変化が生じた。シャーム解放機構と自由シリア軍国民解放戦線が支配領域をめぐって抗争を激化させ、シャーム解放機構が緊張緩和地帯第1ゾーンのほぼ全域の治安・軍事権限を掌握したのである。

国民解放戦線は、トルコの支援を受けて2018年5月に結成された連合体で、シリア・ムスリム同胞団の系譜を汲むシャーム軍団、アル=カーイダの系譜を汲むシャーム自由人イスラーム運動、そしてオバマ前政権の支援を受け、かつてはシャーム解放機構に参加していたヌールッディーン・ザンキー運動などからなっていた。抗争に敗れた彼らは、一部が非武装地帯に残留し、シャーム解放機構の指揮下で活動を継続する一方、主力部隊はトルコ占領地域に移動した。

シャーム解放機構はまた、シリア救国内閣(2017年11月に結成)を名のる集団に支配地域の自治を委託した。それまで各地の自治、治安、福祉を担ってきた地元評議会や自由警察は新たな秩序への対応に腐心した。

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