シリアのイドリブ県で戦闘が激化するなか、政府軍が再び化学兵器攻撃か?

シリア軍総司令部とロシア国防省は、報道内容が事実ではないと即座に否定している。また、欧米諸国の主要メディアも真剣にとりあおうとはしていない。

真相は依然として闇のなかだ。だが、これまでの経緯を踏まえた場合、仮にシャーム解放機構がウソをついている、あるいはシリア軍が塩素ガスを使用したと見せかけていたとしたら、それは、欧米諸国に対してこれまでと同じように厳しい対処で望むことを誘う動きだと解釈できよう。

一方、シリア軍が使用した場合のメリットについて考えることも無意味ではない。シリア軍が実際に攻撃を行っていたとするなら、それは、欧米諸国の限定的介入の無意味さ、そしてシャーム解放機構との結託を印象づける狙いがあると言え、それはそれでシリア政府にとっては都合が良いからだ。

化学兵器使用疑惑が再浮上することの意味

シリアでの化学兵器使用疑惑をめぐっては、最近になって、2018年4月のダマスカス郊外県ドゥーマー市での事件にかかる化学兵器禁止機関(OPCW)の機密文書(エンジニアリング・アセスメント)がリークされている。

OPCWは2019年3月に発表した最終報告書(S/1731/2019)のなかで、塩素ガスと思われる有毒物質を装填したシリンダーが使用されたと信じるに足る「合理的根拠」(reasonable grouds)があると結論づけるとともに、このシリンダーが空中から投下されたと指摘、シリア軍による関与を示唆していた。

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