日本語の名前のローマ字表記は、「姓+名」それとも「名+姓」?

<自国文化の独自性を主張したい気持ちは理解できるが、英語圏での慣習を考慮すればもう少し多角的な議論が必要>

日本人の姓名を英語圏などでローマ字表記する場合、従来は「名+姓」の順番だったのを、「姓+名」に変えるという動きがあります。これは、2000年に国語審議会が答申したものですが、今回、柴山昌彦文部科学大臣や河野太郎外務大臣が、あらためて推進するとしているようです。

理由としては、文化や言語の多様性を尊重、つまり英語圏においてアジアの文化はもっと独自性を発揮すべきということだそうです。この問題、基本的には個々人の自由であり、強制力を持つ話ではないので、賛成も反対もないわけですが、個人的にはあまり気が進まないのは事実です。

まず考えていただきたいのは、中国や韓国に追随する必要があるのかという点です。河野外務大臣が、記者会見で「習近平国家主席がシー・チーピンとかムン大統領がムン・ジェインという風に表記する外国の報道機関が多いわけで、安倍晋三も同様にアベ・シンゾーと表記してもらうことが望ましい」と述べているように、確かに中国や韓国は、英語圏での氏名の表記を「姓+名」にするように要請し、かなり対応してもらっています。

ですが、これをそのまま日本に適用するのは無理があります。中国語も、韓国語も姓は漢字1字が多く音も単純ですが、名は漢字2文字が多く複雑です。

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