中国はトランプ訪日をどう報道したか

それでも環球時報は5月27日、あくまでもロシアの衛星網(スプートニク)が報道したとして、直接の日本攻撃を避けている。

しかし中国政府関係者は筆者に語った。

――アメリカの軍事産業がトランプを動かしている。彼らを喜ばせていないと、大統領選に勝てない。そのためには東アジアが平和になるとアメリカは困るのだ。それを理解している安倍は、北朝鮮の脅威を強調することによって、今度は日本における選挙に勝ってきた。民主主義国家は、常に選挙のために動いている。そのためなら平和を犠牲にしてもいいというのがアメリカだ。それでいながら、トランプは金三(金正恩委員長への蔑称。金ファミリー三代目の意味)との仲を裂かれたくないと思っている。北朝鮮問題を解決した歴史に残る偉大な大統領となりたいという名誉欲と自国の軍事産業関係者との間で、トランプは股裂き状態だ。だからせめて安倍に「北朝鮮の行為は国連決議違反だ」と言わせておきながら、自分は「金正恩を信じたい」と述べる。すべてが芝居だね。

中国も芝居が多すぎると思うが、しばらくその「芝居比べ」を考察するとしようか。

[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。

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