北朝鮮「対米協議」失敗で高官を処刑? 衝撃ニュースの真実味

<5人が処刑され、米朝首脳会談に同席した金英哲も失脚――という説は本当なのか。北朝鮮の粛清説は誤報だったことも少なくないが、米朝交渉の見通しが暗いことは間違いない>

5月31日、ソウルとワシントンに衝撃が走った。2月末にベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談の決裂を受けて、対米協議に関わっていた北朝鮮高官たちが処罰されたというニュースが報じられたのだ。

韓国の有力紙「朝鮮日報」によれば、米政府との事前協議を担当していた金革哲(キム・ヒョクチョル)特別代表ら5人は既に処刑された。ほかにも、アメリカとの交渉を取り仕切ってきた金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が強制労働と思想教育を科されているという。この報道が事実だとすれば、北朝鮮の交渉姿勢が強硬路線に逆戻りすることを示唆しているのかもしれない。

しかし、朝鮮日報の記事は、匿名の1人の情報源の話に基づいて書かれている。アメリカの元情報機関関係者や北朝鮮専門家たちは、今回の報道をうのみにしていない。「軽率に信じないほうがいい。話半分に聞いておくべきだ」と、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は述べている(編集部注:6月3日の朝鮮中央通信によると、金英哲は2日、金正恩〔キム・ジョンウン〕委員長が芸術サークルの公演を観覧した際、同席していたという)。

それでも、金正恩委員長が米朝交渉の行き詰まりに不満を抱き、挑発を強めていることは間違いなさそうだ。

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