米中経済戦争の余波──習近平の権力基盤が早くも揺らぎ始めた

しかし彼はトランプが癇癪を起こして2日後の5月5日に関税率を上げるとは予測できなかった。

古代中国には「天時、地利、人和(天の時、地の利、人の和)」ということわざがある。「天時」はチャンス、「地利」は地勢の有利さ、「人和」は人の配置。トランプ政権には3つの要素のすべてがそろっているが、中国にとってはまったく正反対の状況だ。

トランプの登場は習近平にとっては意外だったが、歴史的には必然だ。中国とアメリカの発展はまったく反対の方向を向いている。習近平は文革や毛沢東時代へと「後退」しようとしている。

――アメリカの学者の中には、今回の米中の衝突は「文明の衝突」ではない、という見方もある。

文明の衝突であり、制度の衝突であり、力量の衝突だ。「アメリカは長男、中国は二男だからアメリカは中国の台頭を許さない」という人がいる。それは副次的な問題だ。もし中国が民主国家ならそうはならない。アメリカは民主主義を核心とする世界文明の主流だが、中国共産党の文明とは一党独裁の党文化。ただしこれは中国伝統の文化とも、世界の文明とも違う奇妙な文化だ。両者のぶつかり合いが文明の衝突だ。

アメリカは多党政治で報道・言論の自由があり、司法が独立し、私有経済の条件が保障された制度の国だが、中国はそれとは反対だ。閉鎖的で、法治はなく人治のみがあり、外国企業の待遇も不平等。

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