米中経済戦争の余波──習近平の権力基盤が早くも揺らぎ始めた

習や王は、中国経済は力強く、恐れる必要はないと主張していた。李克強が会議を開いて「大規模失業を発生させない最低ラインを死守する」と決議したのは、おそらく大規模な失業の危機が迫っているからだ。両者のトーンは異なる。

習近平の権力は大きくそがれている。5月3日、習は(党内の圧力で)妥結しかけていた貿易協議を反故にした後、「将来発生する悪い結果について全て責任を持つ」と発言した。しかし、5月5日にトランプは関税を25%に上げた。政治局会議が集団議決に変わったのは、習が「責任」を取った結果だ。一方で、習は今回の集団議決への移行で肩の荷を下ろした、と見ることもできる。

習近平は多くの難題を抱えているが、これまでは取り沙汰されることのなかった後継者問題が浮上している。もし、習が20年間政権を握るなら、後継者としては胡錦濤(フー・チンタオ、前国家主席)の息子の胡海峰(フー・ハイフォン、現浙江省麗水市党委書記)が考えられた。しかし10年しかやらないとなると、その後継者は陳敏爾(チェン・ミンアル、重慶市党委書記)か陳全国(チェン・チュアンクオ、新疆ウイグル自治区党委書記)だ。

後継者問題が浮上している、ということが習の権力基盤が揺らいでいることを示している。権力が安定し、健康に問題がないならこのような話は出てこないからだ。

――米中首脳会談が行われる可能性がある大阪でのG20は両国にとって重要になる。

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