乱世のゲーム業界にレトロなドット絵アートで挑む

<人気作連発のチャックルフィッシュ社は開発業者との濃密な関係が売り――制作に干渉せずカネもかけない「必勝法」>

ドイツの統計調査会社スタティスタによれば、世界最大手のデジタルゲームダウンロード販売プラットフォーム「スチーム」を通じて昨年発売されたビデオゲームは9050点。1日に25タイトル近くが追加されている計算だ。

ユーザーにとってはうれしい限りだが、ゲームソフトのパブリッシャー(販売会社)の苦労は並大抵のものではない。

膨大な数の候補から配信タイトルを選ぶのは大変だ。アクティビジョン・ブリザードやエレクトロニック・アーツのような販売大手では、巨額の資金と多人数を投じて行う市場調査を基に決定を下している。

では、小規模なパブリッシャーはどうしているのか。従業員20人のチャックルフィッシュ(本社ロンドン)にとって、答えは簡単。デベロッパー(ゲーム開発者)の視点で考えるのだ。

もともとチャックルフィッシュは、デベロッパーとしてスタートした。人気の宇宙探査ゲーム『スターバウンド』は、同社が開発を手掛けた作品だ。

その後、開発プロセスについて同業者から相談を受けるうち、彼らはインディーズ(小規模デベロッパー)の作品に「搾取的な取引」が多い現実を知る。多くのパブリッシャーが自分たちに一方的に有利な契約を交わしていると、プロダクトマネジャーのトム・カトカスは言う。

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