「香港は本当にヤバいです」 逃亡犯条例の延期を女神は「予言」していた

<100万人デモに追い込まれた香港政府は6月15日、逃亡犯条例改正案の審議延期を発表した。その前日、学生活動家の周庭(アグネス・チョウ)は本誌のインタビューに応じ、香港の絶望と希望を語った>

黄色い傘と催涙ガスが街を覆った雨傘運動から5年。敗北の無力感に包まれていたはずの香港市民が、一国二制度で保障された司法の独立を根底から破壊しかねない香港政府の逃亡犯条例改正に敢然と反対の声を上げた。100万人が参加したデモとその後の抗議活動は香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)長官を追い込み、香港政府は6月15日に改正案審議の延期を発表した。

本誌は6月18日発売予定の6月25日号で「弾圧中国の限界」特集を組み、香港デモと中国の限界に迫っている。ウイグルから香港、そして台湾へ――。強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴とは何か。

香港で、なぜデモは急速に広がり、当局は過剰な暴力で市民を抑え込もうとしたのか。22歳の大学生である周庭(アグネス・チョウ)は、雨傘運動で「ミューズ(女神)」と称された学生活動家だ。日本文化のファンで、アニメやアイドル好きが高じて独学で日本語を習得した若者でもある。

6月9日のデモに参加した後、来日した彼女に本誌編集長の長岡義博が聞いた。取材は14日。この時点では、香港市民は逃亡犯条例改正を止められないのではないかとの見方が多かったが、「私は疑問です」と語っていた。

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