エジプトのモルシ前大統領、法廷で倒れ非業の死

<「アラブの春」後にエジプト初の自由選挙で選出された前大統領が急死。出身母体のムスリム同胞団はこれは「殺人」だと反発を強めている>

ムハンマド・モルシ前大統領が死去した。複数のメディアが報じた。67歳だった。

モルシはイスラム主義組織「ムスリム同胞団」の出身。2011年に民主化運動「アラブの春」でホスニ・ムバラク大統領の長期政権が崩壊した翌年、エジプト初の民主的な選挙で大統領に選出された。だがその後、わずか1年で事実上の軍によるクーデターで失脚し、国家機密の漏洩などさまざまな罪に問われ訴追された。

エジプトの国営テレビや独立系の新聞アルマスリ・アルヨウムなど複数のメディアの報道によれば、モルシは6月17日、法廷で自らの容疑を否定する証言を行っている最中に突然倒れ、その後死亡した。原因は心臓発作だという。

モルシの後任には、クーデターを率いた当時の将軍、アブデル・ファタハ・アル・シシが2014年に大統領に選出された。2018年には、有力な対立候補のいない選挙で勝利してシシが再選を果たしている。

モルシの息子はフェイスブックに「神の御許で」父と再会するだろうと書き込み、父の死を認めた。

ムスリム同胞団への逆風

モルシは失脚後、シシ政権によって世間から遠ざけられ、複数の罪で裁判にかけられていた。

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