シリアの核施設を空爆で破壊せよ

<米情報機関さえ気付かなかった砂漠の「北朝鮮製」原子炉――07年のイスラエルによるシリア核施設攻撃はこうして実行された>

シリアが砂漠の中に建設していた原子炉を、誰にも知られずに破壊する――イスラエルの秘密ミッションの詳細を描いた、エルサレム・ポスト紙編集主幹ヤーコブ・カッツの新著『シャドー・ストライク(Shadow Strike)』から内容を抜粋して掲載。

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07年4月中旬、頭の薄い小太りの男が杖を突きながらホワイトハウスの西棟に入ってきた。携行する小さなブリーフケースには、書類のフォルダーが乱雑に詰め込まれている。

警備担当には既に指示が出ていた。公式訪問者名簿に男の名前を記録しないこと、そして国家安全保障問題担当大統領補佐官スティーブン・ハドリーの部屋へ秘密裏に案内すること──。

室内では、ハドリー本人に加えて2人の人物が男を待っていた。1人は副補佐官のエリオット・エイブラムズ。もう1人は、驚くべきことにディック・チェイニー副大統領だった。

3人が出迎えた男はメイル・ダガン。泣く子も黙るイスラエルの情報機関モサドの長官だ。

数日前、イスラエルのエフド・オルメルト首相がジョージ・W・ブッシュ米大統領に電話をかけ、ダガンが重要な情報を持ってワシントンに行くと伝えていた。

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