シリアの核施設を空爆で破壊せよ

寧辺原子炉の責任者であるチョンは監視リストに入っている。チェイニーは情報機関の報告を受ける際、そこでチョンが何をしているか、それが核開発をめぐるシリアと北朝鮮の協力を示唆するものかどうかを担当者に尋ねた。

返ってくる答えは、いつもノーだった。両国がミサイル技術で協力していることは分かっているが、核兵器で協力している証拠はないというのだ。

しかしダガンの情報は、チェイニーの直感が正しかったことを実証した。おまけに、北朝鮮は核に関するノウハウを提供していただけでなく、シリアで原子炉を建設していたのだ。

07年8月のある夜、輸送用ヘリ「CH53シースタリオン」2機がレーダーに捉えられないように低空飛行していた。機内には、いつものM16自動小銃の代わりにAK47(カラシニコフ)を携えてシリア軍兵士に変装した特殊部隊員たちが乗っていた。

イスラエル国防軍(IDF)情報部(略称「アマン」)のトップであるアモス・ヤドリンが立案した計画に基づき、最精鋭の特殊部隊「サイェレット・マトカル」がシリアに送り込まれた。部隊に課された使命は、原子炉にできるだけ接近し、写真を撮影して、土壌のサンプルを持ち帰ること。ただし、イスラエルの兵士がそこにいたことは、誰にも知られてはならなかった。

モサドが入手していた現場の写真は多くが数年前のものだったし、人工衛星が日々送ってくる画像でも正確な状況は把握できなかった。

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