Appleを去るジョニー・アイブ──最高デザイン責任者が遺したものとは

同氏がAppleで才能を発揮するのは、1997年にジョブズがCEOとして復帰してからのことだ。

アイブの半生を描いた書籍「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」(2015年日経BP刊)によると、地下に追いやられていたアイブのデザインスタジオを初めて訪れたジョブズは、「臆病な前経営陣が手を出さなかった、はっと目をひくようなプロトタイプ」に驚き、穏やかなアイブを気に入ったという。

それからAppleが次々と世に送り出した製品は、2人のデザインに関する思想が込められた独創的なものになった。グレーやベージュで角張った形が当たり前だったパーソナルコンピュータにトランスルーセント(半透明)の曲線が美しい「iMac」(1998年)で革命を起こし、デジタルオーディオプレーヤーの黎明期である2001年には"衝撃的にニュートラルな白"い筐体に斬新なホイールを配した「iPod」で市場を支配した。そして、「iPhone」(2007年)、「iPad」(2010年)、「Apple Watch」(2015年)が続く。

1999年10月 iMacとスティーブ・ジョブズ



Appleはここ数年、新しいカテゴリーの製品をほとんど出していない

アイブが得意とするのは、既にある完成度の低いジャンル(PC、オーディオプレーヤー、スマートフォン、スマートウォッチ)にユーザーインタフェースと美しさを両立させたデザインを施すことだ。

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