原油高騰とタンカー危機、混迷するイラン情勢の行方を読み解く2つのキーワード

<イランによる各国のタンカーを狙った拿捕・妨害が相次ぎ、アメリカは有志連合構想を掲げて強硬姿勢を崩さない。緊張感が高まる中東情勢をエネルギー専門家の視点から読み解く>

アメリカとの対立で混迷を深めるイラン情勢を巡り、原油市場は先行きの不透明感が漂っている。イランによるタンカーの拿捕やその未遂が取りざたされ、情報は錯綜。アメリカは船舶護衛のための有志連合結成を目指し、イランへの圧力を強めている。核合意当事者の欧州は米イランの対話を呼び掛ける一方、当の米イランが強硬姿勢を崩していない。

国際指標の原油先物は7月以降、1バレル当たり60ドルを挟んで推移。今後各国の出方次第では昨年10月以来の70ドルも視野に入る。

波乱含みの有志連合

目下、最も注目されるのは有志連合の行方だ。米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は7月9日、ホルムズ海峡などで民間船舶の安全確保を担う有志連合の結成を目指すと明らかにした。タンカーへの攻撃や妨害、その疑惑が相次いでいるためで、同氏は2週間ほどで参加国を見極め、各国の軍と具体的な活動内容を協議したいと説明した。早ければ7月下旬にも立ち上がる可能性がある。

有志連合は、国連決議に依らずに、賛同した同盟国が結束して平和維持活動や軍事作戦に当たる。過去には2003年のイラク戦争の際、米英が有志連合としてイラクに攻め入った例がある。

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