今年の大卒は安定第一? それでもジェネレーションZが秘める大きな可能性

<大学を卒業して社会に出始めたZ世代。安定志向で悲観的とされる新卒者たちは、どんな価値観と潜在力をもっているのか>

心配するな、君は自分のなりたい人になれる。全てはうまくいくさ──そう言われて育ったベビーブーム世代やミレニアル世代に属していれば、ザック・バウダーズ(21)も迷わず写真家の道に進んだことだろう。

父親譲りの才能はある。アメリカンフットボールの選手が肘を深く曲げ、まさにパスを投げようとする瞬間を切り取った1枚。あるいは山河に降りそそぐ流星群の輝き。バウダーズの撮った写真は、故郷フィラデルフィアの地元誌にたびたび掲載された。

しかし5月にテキサス大学を卒業した彼が専攻したのは、写真ではなく保険数理学。リスク分析を行う保険数理士になれば、高収入で安定した保険会社に就職できると考えたからだ。「写真家として確実に成功できるなら、迷わずそっちを選んだ。でも、そんな保証はない。だから、得意な数学を生かして安定を手に入れることにした」と、バウダーズは言う。

1990年代半ば以降に生まれ、物心ついた頃に2008年の悲惨な金融危機を目撃した「Z世代」が、そろそろ大学を卒業して社会に出る。幸いにして就職戦線は売り手市場で、全米大学就職協議会によれば、新卒採用の予定は昨年より17%ほど多いという。

新入社員のZ世代は先輩たちの世代とどう違うのだろう。

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