アメリカが拷問と、いまだに決別できない深刻な理由

「彼らは変える必要はないと思っている。そのやり方でうまくいった経験があるからだ」。アフガニスタン駐在経験があるモーガンは、新人の尋問官は本国にいる背広組の上司に指示を仰いでいたと語る。

「ハードな手法」を支持するドナルド・トランプ大統領のような人々には頭でっかちの議論に聞こえるかもしれない。トランプは16年の大統領選で、水責めや「もっとひどい」拷問手法を擁護して物議を醸した(最近はおとなしくしているが)。

トランプは合法か否かをあまり気にしない。18年11月20日には、アメリカ在住のサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ殺害の責任は同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子にあると結論付けたCIAの報告に否定的反応を見せた。トランプはワシントンから感謝祭の休暇に出発する際、「(殺人は)残念なことだ」と述べたが、一方で「世の中はそういうものだ」と付け加えた。

今こそ改革が急務だと、ファロンは言う。「拷問は効果的だと主張する大統領の時代だからこそ、尋問の手法を合法的なものに変えなければならない」

世論の大きな変化が必要なのかもしれない。そのために、ソフトな尋問のパイオニアだったシャルフの78年の伝記を映画化するのも悪くない。92年、ロサンゼルスで死去したシャルフは、第2の人生を家具デザイナー兼モザイクアーティストとして送り、大成功を収めた。

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