あいちトリエンナーレの展示中止騒動をめぐって

<あいちトリエンナーレ2019で、展覧会内企画展「表現の不自由展・その後」が開幕後わずか3日で展示中止になった。他国と同様、日本でも状況は悪化の一途を辿っている......>

2006年、石原慎太郎都知事(当時)がとんでもない無責任発言を行った。東京都現代美術館(MOT)で開催された『カルティエ現代美術財団コレクション展』のオープニングレセプションで「私は巨大ブランドは嫌いだ」「すばらしい展覧会だというから楽しみにして来たが、大したことはなかった」「ここにあるものはすべて下手物だ」「説明されなければわからないものはよい作品とはいえない」などと、祝辞とは思えない個人的意見を並べ立てたのだ。

数百人の招待客には、顧客を含む多数のカルティエ関係者がいたことは言うまでもない。直後に『フィガロ』『リベラシオン』などフランスのメディアが次々に発言を記事化し、国際的なアート雑誌『アートフォーラム』ウェブ版も『リベラシオン』の記事を引用する形で事件を報じた。同展は典型的な外部協賛企画であり、MOTの副館長(当時)によれば予算の分担は「我々は1000万円以下、カルティエさんが1億円以上」。つまり石原知事は、上得意に対して暴言を吐いたことになる。

「憲法21条で禁止された『検閲』と取られてもしかたがない」

あいちトリエンナーレ2019で、展覧会内企画展「表現の不自由展・その後」が開幕後わずか3日で展示中止になった際に、そんなことを思い出した。

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