韓国政府が無視していた慰安婦問題を顕在化させたのは「記憶の活動家」たち



戦後50周年の1995年には慰安婦が政治問題化しており、北京では女性の権利と結び付けられることになりました。では、人権活動家やフェミニストとはどのような立場の人たちでしたか。

ヒロミ 人権を侵害された人たちの家族でしょうか。

グラック教授 そうではありません。実は、NGO(非政府組織)だったのです。グローバル化が進展した1990年代には国際的な市民ネットワークが広がり、いわゆる「グローバル市民社会」が拡大し続けていました。1990年代の韓国で、元慰安婦を支援しようとした記憶の活動家とはどのような人たちだったか分かりますか。韓国の人たちが、日本について考えたときに思い浮かべたことは何でしょう。

クリス 植民地支配でしょうか。

グラック教授 そうですね。韓国にとっては、日本に植民地にされていたという背景が重要です。韓国のある元慰安婦の支援団体の名前は「韓国挺身隊問題対策協議会」と言います。挺身隊という言葉は「日本統治下で強制労働させられた」という意味合いが強いです。つまり、韓国では植民地支配という視点からも慰安婦問題の活動が行われていました。

日本では、1998年に「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」という団体を設立した松井やよりという女性が慰安婦問題に取り組んでいましたが、彼女たちの活動は、植民地支配というより女性に対する暴力というフェミニズムの視点に基づいていると言えそうです。

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