映画『ライオン・キング』は超リアルだが「不気味の谷」を思わせる



ジョン・ファブロー監督は手の内を明かさないが、これは人間の動作を再現するでも生身の動物を撮影するでもなく、全てがデジタル空間でつくり上げられた映像だという。実際、音声なしで見たらアフリカの自然を撮ったドキュメンタリー映像かと思ってしまうだろう。

歌って踊るリアルな動物

ディズニーの定番だった擬人化された動物、つぶらな瞳に大きな頭のアニメキャラはもういない。演出のジュリー・テイモアはアニメらしさを完全に排除し、パペットを使ったミュージカル版とも一線を画した。

ファブロー監督がビジュアル面で目指したのは、遊び心を駆使して「ライオンらしさ」を表現することではない。本物のライオンが走り、狩りをし、眠る姿を近くで観察する疑似体験を観客に提供することだ。

しかし本物そっくりのライオンが「人間の声」で歌って踊って語りもするとなれば、それはけっこう「不気味」だろう。



叔父の策略で故郷を追われた王子シンバ ©2019 DISNEY ENTERPRISES, INC. ALL RIGHTS RESERVED

野生動物を観察する醍醐味は人と異なる種の神秘に触れ、彼らの(少なくとも人間の言葉は話さない)沈黙の中に気高さを感じるところにある。

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