インドネシアでパプア人がデモ、一部で暴徒化 警察による差別発言に一斉反発



パプア人は自分たちの民族衣装が"腰蓑だけで上半身裸に裸足"とされ、それが象徴とされることに内心羞恥心とともに侮辱されていると感じている。パプアを訪れれば分かるが、上半身裸の人はいてもきちんとズボンを履き、靴を履いている。そうしたパプア人の微妙な心理を非パプア人であるインドネシア人が配慮したり理解することが求められている。

同じ17日にはパプア州の州都ジャヤプラにあるホテルで独立記念日を祝うために従業員がパプアの民族衣装を身に着けて式典に参加したというニュースも流れた。従業員は男女とも腰蓑姿だったが、女性は上半身にはシャツを着ていた。

2024年までの5年間政権を継続するジョコ・ウィドド大統領にとって、圧倒的多数を占めるイスラム勢力によってないがしろにされかねない国是「多様性の中の統一」を死守するためにも、今回のパプア人問題のような「アイデンティティーに関わる問題」そしてタブーである「SARAに挑戦するような問題」には正面から取り組むことが求められている。

19日に騒乱状態となったパプア各都市で事態は沈静化しているが、パプアの人びとの差別、蔑視に対する心中の怒りのマグマは決して収まっていない。


[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。

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