都市部で広がる子どもたちの「勉強時間格差」

<「学校の勉強が全てではない」という言説に、勉強が振るわない子どもは飛びつきやすい>

2000年代の初頭に、苅谷剛彦教授が「意欲格差」という概念を提起して注目を集めた。学習意欲の格差のことで、勉強する子としない子の分化が明瞭になってきているという(『階層化日本と教育危機』有信堂高文社、2001年)。

勉強への圧力が弱まるなか、高校生の勉強時間は70年代から90年代にかけて短くなっているが、親が低学歴のグループでその減少幅が大きい。結果として勉強時間の階層格差が開いている。外圧がなくても勉強する生徒と、そうでない生徒の格差の拡大だ。2002年に完全実施された「ゆとり学習指導要領」の下、こうした格差が広がっているのではないかという懸念が持たれる。

毎年実施される『全国学力・学習状況調査』では、対象の児童・生徒に1日の勉強時間を尋ねている(学校の授業以外の勉強時間で、学習塾や家庭教師等での学習も含む)。最新の2019年度調査のデータのうち、小学校6年生の回答分布をとると<表1>のようになる。秋田県と大阪府のケースを比較した。



秋田県は中層が厚くなっている。平日の勉強時間が1時間台の児童が半分以上を占める。極端に長い子と短い子に分かれてはいない。皆が普通に勉強する習慣がついている。

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