米軍がイラン旅客機を撃ち落とした1988年の夏

ビンセンズのウィル・ロジャーズ艦長の行動は「分別のあるものだった」と認定した。問題の航空機によりビンセンズや周辺の米艦が危険にさらされていると判断したのは無理もない、というわけだ。

政府が真実を隠蔽した?

この報告書は、「イランにも責任の一端がある」とも指摘した。米艦とイランの小型砲艦の戦闘が続く状況下で「民間の旅客機が低空を飛行することを許可した」というのが理由だ。

ロジャーズは事件の翌年までビンセンズの艦長の地位にとどまり、1990年には1987年4月〜89年5月の「傑出した奉仕」を理由に表彰まで受けている。その際、旅客機撃墜への言及は全くなかった。1991年、ロジャーズは名誉除隊している。

しかし、1992年に本誌がABCテレビのニュース番組『ナイトライン』と共同で実施した調査報道により、米軍の説明とは異なる事実が見えてきた。公開された公文書、関係する艦船の映像や音声データ、そして100人以上の人たちへの聞き取り取材によれば、責任は主にロジャーズにあり、米国防総省はそれを隠蔽していたのだ。

本誌とABCの調査は、このときビンセンズがイランの領海に入り込んでいたことを突き止めた。これは明らかに国際法違反だ(イランは今年6月にアメリカの無人偵察機を撃墜したときも、その無人機がイランの領空を侵犯したと主張している)。

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