アジアに、アメリカに頼れない「フィンランド化」の波が来る

<アメリカ一極支配によりアジアの安定が当たり前だった時代は去ろうとしている。これからは予見不可能なアジア、中国に従属するアジアの時代になるかもしれない。日本もそうした将来への準備が必要だ>

1942年、米海兵隊が太平洋の島を舞台に日本軍との終わりの見えない激しい戦闘を繰り広げていたころ。オランダ系アメリカ人の地政学者でエール大学の教授だったニコラス・スパイクマンは、アメリカと日本が戦後、中国(当時はアメリカの重要な同盟国だった)に対抗して同盟を組むことになると予言した。

日本はアメリカにとって忠実かつ有用な同盟国になるだろうとスパイクマンは主張した。日本が食糧や石油を輸入できるようにアメリカがシーレーン防衛にあたらなければならないものの、人口の多い日本とは強い通商関係で結ばれることになるというのだ。

一方で中国は、戦後は大陸における強力かつ危険な大国となるから、力の均衡を保つための牽制策が必要になるだろうとスパイクマンは述べた。スパイクマンはまた、アジアにおける日本が欧州におけるイギリスのような存在になると考えた。つまり海を挟んで大陸と対峙するアメリカの同盟国ということだ。

スパイクマンは1943年に癌でこの世を去ったため、この予言が現実のものとなったのをその目で見ることはなかった。実際、彼の予言はアジアという地域を定義するとともにこの地に安定をもたらし、70年以上にわたってアジアに平和と繁栄をもたらすビジョンとなった。

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