韓国・文在寅政権「GSOMIA破棄」の真意



確かに北朝鮮によるミサイル発射を正確に把握し分析するには、日本および米国側の衛星情報やレーダー情報(シギント)は欠かせない。

しかし移動式ミサイルの発射の予想は、北朝鮮内部の指揮命令系統の緊張や、燃料補給の手配に関する人的情報(ヒューミント)によるところも多く、それは韓国情報機関が伝統的に強い領域だ。だから情報の共有がなくて困るのはどっちもどっちと言える。

東アジア安全保障の危機

では、文在寅の「真意」はどこにあるのだろうか。

GSOMIAは、秘密軍事情報を2国間で共有する枠組みを規定する協定だが、情報を提供すること自体の義務をお互いに課すのではなく、共有した情報の機密性保護する義務を課すと同時に、相手の事前の承諾なしに第三国へ提供(横流し)したり、目的外で使用したりすることを禁止する義務を課すものだ。今回のポイントは、それが破棄により法的義務ではなくなることにある。



もし仮に日本から入手した秘密軍事情報を「極めて高度な政治的判断」から、第三国に提供するように軍に命じる大統領がいたとしよう。これまで軍としては「協定上の法的義務があるので、そのようなことは絶対にできない」と抗弁できた。

しかしこれからは、GSOMIA上の法的義務は消滅し、そうした抗弁は難しくなる。

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