なぜ"職場のパワハラ"は規制できないのか

なぜ"職場のパワハラ"は規制できないのか

※写真はイメージです(写真=iStock.com/DragonImages)

職場でのパワーハラスメント(パワハラ)に当たるいじめや嫌がらせは増え続けている。厚生労働省は職場でのパワハラを防ぐため、パワハラ行為を法律で禁止することを視野に入れた検討を始めた。現在は明確に規制する法令はない。パワハラ規制が進まないのはなぜか、ジャーナリストの溝上憲文氏が分析する。■職場のパワハラがなくならない理由

これまで法的規制が何もなかったパワーハラスメント(パワハラ)にようやくメスが入ろうとしている。きっかけは昨年3月の政府の働き方改革実現会議がまとめた「働き方実行計画」。その中で「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」と明記された。

厚生労働省は有識者や労使による「職場のパワーハラスメント防止策についての検討会」を昨年に発足。今年の3月に報告書が出されたが、8月末からパワハラの防止を含むハラスメントの法整備に向けた議論が厚生労働省の労働政策審議会で始まった。

ところでパワハラとは何か。政府の検討会の報告書では「職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義している。例えば、上司が著しい暴言を吐いて人格を否定する、何度も大声で怒鳴り、相手に恐怖を感じさせる行為、あるいは長期にわたって無視したり、能力に見合わない仕事を与えて就業意欲を低下させる行為も入る。

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