安楽死を選んだ人が「立派」と褒められる社会で生きたいか

安楽死を選んだ人が「立派」と褒められる社会で生きたいか

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sittithat tangwitthayaphum

どのように最期を迎えるか。医療費の増加が問題になる中で、終末医療にかかるコストを削るべきだという意見もある。だが生物学者の池田清彦氏は「財源を根拠に安楽死を制度化することは、確実に優生学的な思想へつながっていく。同調圧力の強い日本では、意に反して安楽死を選ばされるケースも出てくるかもしれない」という――。※本稿は、池田清彦『「現代優生学」の脅威』(インターナショナル新書)の一部を再編集したものです。

■「役に立つ」という言葉が切り捨てるもの

2019年1月、ある文芸誌に掲載された対談記事が、大きな反響を呼びました。安楽死をテーマにした小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)で芥川賞候補となった社会学者の古市憲寿氏と、メディアアーティストで筑波大学准教授でもある落合陽一氏が行った「シリーズ『平成考』1 『平成』が終わり、『魔法元年』が始まる」という対談です。

〈このままだと社会保障制度が崩壊しかねないから、後期高齢者の医療費を二割負担にしようという政策もある〉と落合氏が述べたところ、古市氏が〈財務省の友だち〉と検討した話として、〈特にお金がかかっている終末期医療の最後の一カ月を削ればいい〉と切り出したのです。

■死亡1カ月前にかかる医療費は国民医療費の3.5%

【落合】背に腹はかえられないから削ろうという動きは出てますよね。

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