「最初はOKだったのに」イスラム教が飲酒禁止になった人間くさい理由

「最初はOKだったのに」イスラム教が飲酒禁止になった人間くさい理由

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/guenterguni

イスラム教は飲酒を禁じている。しかし聖典のコーランには「天国には酒の川がある」と読める描写がある。宗教学者の島田裕巳さんは「初期のイスラム教は酒を禁じていなかった。禁じられるまでには、それなりの経緯があった」という――。※本稿は、島田裕巳『宗教は嘘だらけ』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

■イスラム教が禁酒を定めた理由はコーランを読むとわかる

嘘はいけない。

これが、聖典を持つ宗教に共通する戒めである。嘘を戒めることは宗教に普遍的な事柄なのである。

しかし、ここで一つ注目しなければならないことは、なぜ嘘をついてはいけないのか、その理由が示されていないことである。

これは、ここまで見てきたどの宗教の聖典にも共通している。理由を示さないまま、嘘をついてはならないとされている。それは、他の戒めについても共通している。

嘘をついてはならないと言っているのは、仏教なら釈迦、ユダヤ教やイスラム教なら神、そして儒教なら孔子ということになる。神仏の啓示や開祖のことばは、それぞれの宗教において絶対的なものとしてとらえられている。それぞれの宗教の信者は、それをそのまま受け入れ、なぜ理由が示されないのか、そこに疑問を抱いたりはしないということかもしれない。

しかし、理由も示さずに、ただ戒めだけがあるというのは不合理ではないか。

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