「早くしなさい、ちゃんとしなさいと言ってしまう」藤原和博が息子との関係で抱えた苦悩

「早くしなさい、ちゃんとしなさいと言ってしまう」藤原和博が息子との関係で抱えた苦悩

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Juanmonino

「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「いい子ね」は子育ての場面で多用される言葉だ。だが、教育改革実践家の藤原和博さんは、ある時から、なるべく使わないようにしようと決めたという。きっかけは、4歳の息子を連れて家族でロンドンに引っ越したことだった??。※本稿は、藤原和博『60歳からの教科書』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

■「父親としての私は子どもたちに育てられた」

我が子との関係について述べてみたいと思います。

まずお伝えしたいのは、「子が、親を育てる」ということ。

私の場合も「父親としての私は子どもたちに育てられた」と言い切れます。

私が「親」になった1990年代、すでに述べたように、成長社会から成熟社会への大転換が始まっていました。それが意味するものは、20世紀の高度経済成長期に「正解」と考えられていた、力強い家長的な「父性の時代」の終焉でした。

「正解」のない時代には、父親自身が子どもに教えてもらいながら、ともに学び続けるしかなかったのです。私自身も七転八倒しながら、学んでいきました。

そもそも独身のサラリーマンだった私です。結婚して家族2人になり、子どもができて3人になったというだけで、家族の中で父が果たす役割については考えたこともありませんでした。

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