「だから日本企業は世界で勝てない」アップルが未熟な技術をさっさと商品化する理由

「だから日本企業は世界で勝てない」アップルが未熟な技術をさっさと商品化する理由

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/EnDyk

アップルは9月、「ダイナミック・ヘッド・トラッキング・サウンド」という機能を音楽配信アプリに追加した。リスナーの動作に合わせて音の出方を変える音響技術だが、その完成度は低い。なぜ未熟ともいえる状態で世に出したのか。「Screenless Media Lab.」による連載「アフター・プラットフォーム」。第7回は「日本のハイテク企業がGAFAMに勝てない要因」――。(第7回)■仮想空間は「遊び」を超えてより実用的に

2021年10月にFacebook社が社名を「Meta(メタ)」に変更したように、この1、2年、急速に注目を集めているのが「Metaverse(メタバース)」である。オンライン上に巨大な仮想空間を設営し、参加者はCGによる「アバター」としてメタバースにログインし、メタバース内のオフィスで仕事をしたり、ゲームをしたりといったさまざまな体験をすることができる。近年のVR技術の急速な発達により、仮想空間におけるアバターの活動領域はリアル(現実世界)に近づき、単なる「遊び」ではなく実用的な意味を持ちつつある。

メタバースは視覚メインの仮想空間と理解されているが、そのリアリティを高めていくためには視覚だけでなく、五感すべてを仮想的に再現することが理想となる。

研究ターゲットのひとつが聴覚である。「音の立体化」と「音の定位」という2つの要素技術を組み合わせることで、被験者に音響的な仮想空間体験を提供するもので、本稿では「音響AR(Augmented Reality=拡張現実)」と呼ぶ。

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