「親が低年収だと、子は学力だけでなく運動能力も低くなる」最新研究でわかった残酷な現実

「親が低年収だと、子は学力だけでなく運動能力も低くなる」最新研究でわかった残酷な現実

出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.77 表2-3-1

親の収入や学歴は、子どもの運動能力と相関していることがわかってきた。筑波大学体育系教授の清水紀宏さんは「親の収入や学歴が低いほど、子どもの運動能力も低くなる傾向がある。こうしたスポーツ格差は深刻な問題になりつつある」という――。※本稿は、清水紀宏編、春日晃章、中野貴博、鈴木宏哉『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』(大修館書店)の一部を再編集したものです。

■学力が低い子どもは体力がない傾向にある

ここからは、児童生徒及び保護者へのアンケート調査と体力・運動能力の測定データを関連づけて分析した結果を中心に紹介する中で、@スポーツ格差の存在(格差はあるのか)、Aスポーツ格差の原因、Bスポーツ格差が子どもたちに及ぼす影響などについて明らかにしていきたいと思います。

お茶の水女子大学(2014)が文部科学省による平成25(2013)年度の全国学力・学習状況調査(ナショナルビッグデータ)と補完的に実施した保護者用調査のデータを結合させて、家庭背景による学力格差の状況を明らかにして以降、学力格差の存在はもはや揺るぎのない現実と認識されています。しかし、体力・運動能力のデータについては、未だ非公開のため体力や運動能力が子どもたちの家庭背景とどのように関係しているのかについては、未知のままです。

しかし、特に近年になって体力と学力・認知機能との関係性に着目した研究が国内でも少しずつ進められています(東浦・紙上、2017)。

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